0181【五つの光 導く未来】

 みゆき不在のまま、四人が戦闘態勢に入ろうとした事からあの二人も恐らくプリキュアなのだろう。しかし、やよいが決め台詞が云々と訳の分からない発言をし、あかねが律儀に突っ込む。流石の倶利伽羅も呆れていると、何故か突然雪玉が綺麗な軌道を描いてBE王国幹部の顔面を捉えた。そこには、またも何故か全身に氷雪を纏い凍えかけているみゆきとキャンディより一回り大きいが彼女に似た雰囲気を持つ、彼女に兄と呼ばれた獅子の子のような存在が。これで全員が揃ったと思いきや、突然五人はスクラムを組んでひそひそ話を始める。幹部では無いが、一体彼女らは何を話しているのだろうか。

 みゆきの発案に対し、肯定的かつ好意的な反応を見せる四人。みゆきの「じゃあ、いくよ!」の号令と共に、五人の少女らは七色の光に包まれ、全員の「プリキュア、スマイルチャージ!」の掛け声と共に、装飾のついたコンパクトを取り出す。確かあれは、あの時みゆきが変身する時に使っていた『スマイルパクト』なるメルヘンランドの秘宝だったな、と倶利伽羅は自身の記憶を辿る。五人の少女は光の中で光から生じるパフを片手にまるで全身にメイクをするかのように伝説の戦士プリキュアへの変身を遂げ、髪も増量。最後に、その姿と色に呼応する能力を発現してゆく。光、火、電気、風、冷気。

ハッピー『キラキラ輝く未来の光! キュアハッピー!』
サニー『太陽サンサン熱血パワー! キュアサニー!』
ピース『ピカピカぴかりん、じゃんけんポン♪ キュアピース!』
マーチ『勇気リンリン直球勝負! キュアマーチ!』
ビューティ『しんしんと降り積もる清き心! キュアビューティ!』

 そして、五人それぞれが名乗りを上げた後、ポーズと共に所謂"決め台詞"が炸裂する。

『五つの光が導く未来! 輝け、スマイルプリキュア!!』

 かなり悩んで決めた分、思い入れがあるのだろう。言い出しっぺと思われるハッピー、自分で自分に陶酔している。はっきり言って隙だらけである。余程空気の読める相手で無い限り、ここは攻撃の好機と見るだろう。だが――

「ブラボーーーー! おおおお、ブラボォォォォオ!!」

 いつの間にか公園の樹の上に立っていた倶利伽羅のひとりスタンディングオベーションに気を取られたアカンベェが此方を向いた為、倶利伽羅目掛けて巨大な缶ミサイルが発射されたが、『鋼の射手』で撃ち落とし、発生した爆風を突き抜けて着地。マーチとビューティは倶利伽羅を初めて見るが故に怪訝そうな顔をしているが、ハッピーが驚きと同じレベルで再会の喜びを全身で表現しながら歩み寄る。そして、手を取り合いスマイルプリキュア結成とポーズ完成を祝して突如始まる謎のダンス。やはり端から見ると隙だらけなのか、再度缶ミサイルが放たれる。だが、完全に背後を向けていたはずの倶利伽羅は突如ハッピーの体を真上に放り投げると、ダイナミックな回し蹴りを放ってミサイルを弾き返す。そして、直後に片手を突き上げると、ハッピーの手がそこにあり彼女を腕一本で受け止めて見せる。その様は、フィギュアスケートやダンスにおける高等テクニック・リフトを思わせた。

 蹴り返したミサイルはアカンベェの足元に着弾・爆発し、その衝撃で吹っ飛ばされたアカンベェの巨体が幹部の真上に落下。間一髪下敷きを免れ、怒り心頭になり倶利伽羅を無関係だと非難する幹部。それに対し「ヒーローの決めポーズに横槍入れる不粋な婆に言われたくない」と鼻で笑われ、苛立ちは更に募る。が、「大体先に名乗るのが礼儀だろうに」と言われるとそれには同意し、バッドエンド王国幹部マジョリーナと正体を明かす。だが、そこまでさせておいて倶利伽羅の口から飛び出した一言は――

「教えない♪」

「きぃーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」




  • 最終更新:2018-11-04 20:48:19

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