0147【プリキュア 対 悪忍】

 突然の変身に驚いて二人組に生まれた隙を突いて吹っ飛ばし、無事やよいを奪還したハッピーとサニー。すかさずプリキュアの脚力で逃走を図るが、目に見えない壁、先程張られていた結界のようなものによって閉じ込められ、逃げられない。やがて二人組はゆっくりと立ち上がる。プリキュアの超人的な身体能力による攻撃を受けたはずの全く痛みを感じていないかとように平然と歩み寄る。ただ、反撃を予測していなかったらしく不覚を取ったと言いながら、土埃をはたく。

 そして、「変身して強くなるのは貴女たちだけではない」と告げた。その発言の意味を、二人はすぐに思い知る事になる。

「「――忍転身!」」

 緑髪の少女は大きく肩の露出した黄色いへそ出しのトップスに切り傷だらけのジーンズに、ロングヘアの少女は淡い緑色のメイド服へとそれぞれ着替えていた。腕の大砲と背中に背負った巨大な剣が強烈な非日常感をかもし出している。自分らとは違うが、変身したかのように一度下着姿になってから別の着衣を装着した事から、ただのお色直しで無い事は明らか。プリキュアになった事で耐えられるようになっていたプレッシャーが今、倍では利かないほどに膨れ上がっていたからだ。

「詠、悪の定めに舞い殉じます」
「日影、悪の定めに舞い殉じる」

 口上の直後、日影は一瞬で二人の間合いへと飛び込み腰に差した分厚いナイフを振り抜いた。今のは、完全に殺すつもりだったと腕に残る衝撃がサニーにそう実感させ、日影は腕を切り落とすつもりだった一撃で傷ひとつ付けられないサニーの身体硬度にまたも目を丸くしていた。サニーに駆け寄ろうとしたハッピーの足を、詠の砲撃が阻む。その表情は変わらずにこやかだが、ハッピーはその裏に隠されていた狂おしい程の憎悪に気付き、驚愕。背負っていた巨剣を構え、向かってきた詠が目の前で剣を振り上げてなお、彼女の体は動かなかった。サニーの声で我に返り横に飛び退いた直後、たった今自分が立っていた地面は轟音と共に砕け散っていた。本来ならこれも恐怖で動けなくなっても不思議では無いものだが、詠の返し刃にハッピーは反応し、白刃取りで受け止めた。

 プリキュアの超人的身体能力に助けられ、詠の剣を弾き飛ばす事に成功したハッピーだが、これで詠の武器が無くなった訳ではない。腕に仕込んだ大砲に足を止められている間に剣を拾われてしまう。だが、二度の剣撃で目が慣れたのか詠の攻撃を躱し続ける。しかし反撃する発想に至れない防戦一方のハッピー。サニーも似たような状況だったが、ハッピーよりも気性の荒い彼女は反撃に積極的で、バレー部での経験に体を突き動かされ、刃振るう日影の腕を抑える事に成功。空いた方の手で反撃に転じる。日影も片手で防御するが、サニーの一撃は受け切れず吹っ飛ばされ塀に背中から激突し、地面に倒れ伏した。手加減する余裕は無かった為、今の一撃に手応えを感じたサニーは無力化したとして日影に背を向け、ハッピーの助力に駆けつけようとした。

 だが、その直後――




  • 最終更新:2018-08-14 18:45:55

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