0087【同じ水漬けを喰った仲】

 義経が一体どうしてこんなところにいるのか、流石にもう理解が追いつかない海珠。義経は言う、「冥府より蘇った宿敵・平清盛を討つ事が目的だ」と。

 冥府? 宿敵? 平清盛?

 ますます混乱深まる海珠の腹の虫が異を唱えた。

 布団から出るとうわっ張りを被り台所へ。お櫃の冷や飯を器に装い、しらすを振りかけての茶漬けならぬ水漬け。海珠曰く「米を一番旨く食べる方法」であり、義経も相伴に預かる事に。腹も落ち着き、話を再開する二人。とは言え、平清盛が蘇ったと言うのも初耳であり、過去から現代に来た理由の説明にもなっていない。

 その理由について義経は語る。清盛は地獄で鬼と化して現世に甦り、妖魔や鬼を率いて人理を殲滅せんと挙兵。弁慶と共に手勢を率いて清盛と戦っていた義経は突然二人が光の中に消え、自分も同じように呑み込まれ、光の中を横向きに落下しているような感覚の中、義経に語りかける声があったと言う。


――奇跡を欲するのなら、汝
自らの力を以って、最強を証明せよ――


 義経は、その声に沈黙を以て答えた。それが肯定と認識されたのか『奇跡を巡る戦い』に巻き込まれたようだ。その後はあの時海珠の問い掛けに答えて現界し、今に至るとの事。

 義経にしてみれば奇跡など興味は無いし迷惑な話ではあるが、戦いに勝たなくては元の時代に戻れないのならと海珠に協力を願い出る。海珠にしてみれば、義経は命の恩人であり同時にあの牛若丸である。奇跡に託したい願いもある。

 同じ水漬けを喰った仲だと、奇跡を求めるこの戦いへの参戦を決意する海珠だった。


  • 最終更新:2017-06-18 11:38:47

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