0062【ガンバれ女の子!】


 しかし、そこで待っていたのは明らかに浮かない顔の現場監督。倶利伽羅の評判を聞いて依頼したのにやって来たのは女の子だと落胆の色を隠そうともしない見た目通り性格の悪そうな現場監督は、鋼家に対し契約不履行の賠償金を求めると言い出す。同行した執事がスバルは鋼家の看板を背負ってここに来たのだからクレームは実際の働きを見てから出すが道理とフォローをするが、聞く耳を持たない。だがその資材置き場の前を通りかかったあたりで資材を縛っていたロープが突然千切れ積み上げられた木材が、腰を抜かした監督に傾れかかる。そこに割り込み、木材を全て受け止め彼を庇うスバル。救助隊員を目指す者として積み上げてきた日々の修練の成果を身を以て証明。命を救われた事もあってか監督の信頼を(過度に)勝ち取る事に成功。

 執事が去り、監督に案内されて現場に向かう途中、件の金持ちに直接雇われたと言う奇妙な格好の三人組とすれ違う。曰く、練馬で有名な"チーム"らしく、これから件の幽霊退治に向かうのだとか。

 数刻後、鶴嘴と猫車で原始的に掘削を進めるスバルの姿に現場の作業員の目は釘付けになる。その働き振りは成人男性の作業量を軽く上回るどころか、重機にすら匹敵。そして、初めての肉体労働はスバルにとって、救助とはまた違ったやり甲斐を感じるものだった。やがて本日の作業終了のサイレンが鳴り、舞台は男だけで花札や酒盛りが行われているむさ苦しい詰所へ。だが、今日はスバルを囲み、彼女を讃えるささやかな宴が。男に囲まれても物怖じしないスバルを完全に彼らは受け入れていた。

 ――その時だった、例の三人組が入ってきたのは。




  • 最終更新:2018-08-14 17:14:17

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