0056【次元を超えた出逢い】

 院長に面通しも終わらせ、朝食前の空き時間に倶利伽羅はスバルと話す。そこで彼女は一部の記憶が欠落している事が判明。この世界に来る前に何をしていたのかが、分からないと言う彼女に倶利伽羅は今の和環を取り巻く状況説明を簡潔に行うと共に、ある取引を持ち掛ける。

「自分はこの街の異変解決をしている。その手伝いをしてくれるなら、元の世界に戻る為の助力は惜しまない」

 ――幼少時代、大規模災害に巻き込まれ、一人で死地を彷徨い、そして救われた。そんな過去から自分も「誰かを助けられるだけの強さとそれを成し遂げられる人間」を目指すようになり、今日までその夢に向かって修練を積んで来たスバル。
 この状況を「これまでの自分の努力が試される時」と考え、鋼家の手伝いを承諾。それに対し倶利伽羅が求めたのは握手ではなく、拳を突き合わせての締結。そんな二人を院長と子供たちが呼びに来る。そうして始まった今日の朝食は、新しい仲間が増えていつもより賑やかだった。

 午前中、倶利伽羅は小物の修理で手が離せないのでスバルには和環の町を見学させる事に。魔法が秘匿とされるこの世界は、やや空気が悪く喧騒が絶えない混沌とした空気に包まれているように思えるが、彼女が籍を置く"時空管理局"の管轄下のとある世界に酷似していた故、それほど戸惑いはしなかった。

 途中、公園を見つけたスバル。水道で喉を潤していると、足元に転がって来るボール。それを追って現れたのは十歳前後の少女を見たスバルは、思わず泣きながら彼女を抱き締めてしまう。少女は、彼女の師であり上司であり目標とする魔導師・高町なのはに瓜二つだったからだ。


  • 最終更新:2017-08-27 11:55:21

このWIKIを編集するにはパスワード入力が必要です

認証パスワード