0051【風の中のスバル】

 光の柱の中、降りて来る人影。やや巻き毛な青いショートヘアの少女は地上に降り立つと、翠色の瞳を開く。ヘソ出しの活発なイメージの衣服は、ところどころ土汚れや裂傷が見られ、足にはローラーブレード、右手には巨大な手と言う位大仰な籠手。人目で理解(わか)る、彼女もまた非日常を日常とする世界の住人であると。

 少女は突然周囲の景色が変わったかのように僅かに混乱しているが、呼び掛けた倶利伽羅の負傷振りを見るや否や、目の色を変えて駆け寄る。人命救助の心得があるようで、倶利伽羅を安全な場所まで避難させようとするその背中に、剣士の斬撃が迫る。

 彼女を突き飛ばし刀身を白刃取りする倶利伽羅。刀身を掴む手からも握力や膂力ごと魂を奪われ、刃はみるみる下がり脳天寸前までに及び刃先が触れた額から血が滴る。そんな状態でも、倶利伽羅は自身を省みる事無く、ひたすらに少女の身を案じる言葉をかけ続ける。

 が、次の瞬間倶利伽羅の目の前でこの少女が「リボルバーナックル」と呼ぶ自身の右手の手甲で、剣士を殴り飛ばすのを見た。その威力、倶利伽羅の拳打の比では無い。下手したら、人が一撃で殴り殺せる程に。

「私はスバル。スバル=ナカジマです。あなたを、助けます!」

 倶利伽羅は少女の名を問う。少女はスバルと名乗る。


  • 最終更新:2017-03-26 21:08:22

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