0045【望まれぬ拳闘の後に】

 弟子の懇願を無下にも出来ず、弦十郎は今回の事を保留とする。しかし翼はあの戦闘力を野放しにするのは危険と、早急に拘束し管理下に置くべきと進言する。クリスは孤独を通じてある種のシンパシーを感じたのか、珍しく響に賛同。そして響は、倶利伽羅とそう遠くない未来に必ず解り合えると言う確信を抱いていた。
一方、丘の大樹の上で気配を殺し、帰還する四人を見張る倶利伽羅。ふと頭上を見上げたクリスと目が合うが、倶利伽羅に向けて「貸しだからな」と呟くと、彼女はそのまま気づかないフリをしてくれた。

 響の拳は、高い物理防御を誇る倶利伽羅の黒インナー(金属繊維製と判明)の上からでも、ごっそり体力を削っていた。後に残るダメージはあるものの、予期せぬ訓練の機を得られた倶利伽羅。しかし戦いを望まない相手に戦いを強要し、響に悲愴な涙を流させた事実が、悔いとして心に刺さる。

 そして倶利伽羅も、拳の交わりを通じ響の人を信じる真っ直ぐな心を強く強く感じていた。そんな彼女を悲しませた事を深く反省し、あの涙を生涯忘れないと誓い、今宵も見廻りに出発。

 今夜の現場は町からそれほど離れていない建設途中のビル工事現場。観測開始時より数値は高くは無いが、ここのところ継続して反応を示していた事から、本日の調査箇所とした。


  • 最終更新:2017-03-26 22:12:59

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