0043【守る拳と彷徨う拳】

「―Balwisyall Nescell gungnir tron」

 シンフォギア「ガングニール」を纏った響、落下する鋼材を片手で払い除けた。その姿はあの夜の戦士に相違無く、倶利伽羅の心が震える。

 しかし響は「使いたくなかった」と涙ながらに向かって来る。シンフォギア装着による身体能力の向上率は倶利伽羅の予想を凌駕し、胴体に貰った一撃に文字通り殴り「飛ばされ」る。半ば錯乱状態の響は空中を疾走し追撃を繰り出すが、極細の鋼糸で編まれた外套「黒の隔世者」が防壁となって威力を殺し、更にはそれが巨大な拳を模して反撃を繰り出してきた。直撃を受けて同じように後方に吹っ飛ばされる響。

 その後二人は零距離で殴り合い、蹴り合い、殺し合ううちに響は自身の中に秘める破壊衝動を揺さぶり出され、倶利伽羅も心の中の黒い獣に自意識を委ね始めていた。

 そして互いに間合い―「最適な助走距離」―を取ると咆哮と共に同時に駆け出し、必殺の気迫を込めた互いの右拳を、踏み込み、繰り出す。

 拳と拳が激しくぶつかり、その衝撃は丘を揺るがし町全体にも余波が及ぶ。一方、倶利伽羅だけでなくいなくなった響を探していた翼とクリス、異変に気付き漸く洞窟の場所を突き止め、その中で戦闘する二人を見つける。


  • 最終更新:2017-03-26 22:03:21

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