0039【政災孤児】

 翌朝、倶利伽羅は昨日の一件から自らを鍛え直す覚悟を固め、朝からトレーニングに精を出す。まだ見ぬ強敵は勿論、昨晩の黒の剣士と若武者との苦戦を反省、再戦に向けて奮起。そんな中、独学での限界を痛感し、「パートナーがいればより実戦的な訓練が出来るのに」と独り言つ。

 11時頃、孤児院に来客。院長が応対の為玄関に。

「・・・? また貴方たちですか」
「はい、また来ました」

 数日前この地でノイズと戦った特機部二司令・風鳴弦十郎と三人のシンフォギア装者。扉を開けた院長が迷惑そうに顔を歪ませる。応接室に通された四人。実は倶利伽羅が院長の使いで出掛けていた日にも来ていた。その時はアポを取っていたが、院長がそれを倶利伽羅に伝えず、彼を留守にさせたのだった。

 そして今日、風鳴司令直々に頭を下げに来たその理由は"倶利伽羅の特機部二参加の打診"だった。シンフォギアシステムの適合者でないにも関わらず、ノイズを相手に装者と同格の戦闘能力を持つ少年。日々ノイズの脅威に晒される無辜の民を守る防人として是非とも迎え入れたいと弦十郎は熱弁を振るう。

 倶利伽羅は素性の知れない記憶喪失者だが、今や一国一城の主。本来なら彼の身の振り方に口出しすべきでは無いと前置きした上で、院長は弦十郎の申し出に明確な嫌悪を以て拒否を示した。

 院長は言う。夢ヶ丘の孤児は、杜撰な国政のしわ寄せで家族や家を失った"政災孤児"であると。そして、その身を預かる者として、今の政府に協力など絶対に有り得ないと。


  • 最終更新:2017-03-26 21:49:19

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