0018【現れた『雑音(ノイズ)』】

(こいつさえ始末すれば―)

 正気を失った目で自分に言い聞かせるように撃鉄を起こし、引き金に指をかけ震える手で少年に銃口を向ける。

 直後、後方から悲鳴の多重唱。高場がそれに気を取られた瞬間、少年は撃たれた足で高場の顎を蹴り抜く。痛みを堪えて立ち上がると、暴徒らが謎の怪異に襲われる惨劇が繰り広げられていて。

 極彩色の異形が触れられた者は瞬く間に総身黒く染まり、跡形も無く消滅する。人も、声も、命すらも。高場が狼狽えながら呟く。

「”ノイズ”・・・馬鹿な、何故此処に!?」

 丘下から無限に湧いてくるかのように次々と現れるこのノイズとはこちらからの干渉を一切受けず、一方的に接近しては触れたものと共に炭化する、特攻さながらの殺戮を繰り返す特異災害の一。

 恐怖で統率の乱れた暴徒は次々と道連れにされて死んでいく。高場もその混乱に呑まれノイズに発砲する。撃ち尽くしたのも気付かず引き金を引き続けながら、大量のノイズに囲まれ、覆い被られ、断末魔が上がって、止んだ。

 悪党の最期に想いを馳せる間も無く少年にもノイズは向かって来る。急ぎ避難しようにも、足の痛みが洒落にならなくなり、立っているのもやっとの有り様。


  • 最終更新:2017-02-28 22:20:17

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