0010【高場と云う男】

『高場不動産』。

 和環でこの名を知らぬ者はいない、とまではいかずともそれなりに名の知れた不動産。表向きは和環の開発業者(デベロッパー)。しかしその正体は法の裏で市民の安寧を私利私欲で蝕み、貪る悪逆非道の輩。

 この丘に観光施設を建てる開発計画の為に、これまでこの孤児院からの立ち退きを度々迫っているとの事。表向きは土地取引の為、地上げ行為として逮捕が出来ないと早苗が説明。

 院長「大人の都合で子供たちを辛い目に遭わせられない」と、いくら金を詰まれてもこれまで決して首を縦には振らなかった。が、高場も迫る期日に今日こそはと契約を迫る。それでも院長が応じない姿勢を見せると、突然部下らが孤児院に対して破壊行動を開始。制止に入った院長が目の前で突き飛ばされ、少年の心の中にあの黒い何かが再び現れるのを感じた。

 そこに早苗が連中をねじ伏せ暴行と器物損壊、おまけの公務執行妨害で現行犯逮捕。だが高場は部下の暴走と斬り捨て自分は無関係とばかりに車のドアに手を掛けた。その背中に「あたしの友人を貶め辱めた罪、必ず白日の下に晒し罪を償わせる(意訳)」と怒りを露にするが、一介の婦警ごときに何が出来るものか、と憎たらしい顔で大笑いしながら、車で走り去る。

 地団駄を踏む早苗が少年に同意を求めようと振り返ると、いつの間にか少年の姿も院前から忽然と消えていた。



  • 最終更新:2017-12-24 20:32:53

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