和環

【登場作品】現想水滸伝

 東海地区(現実の三重県いなべ市付近)にて地上部分が大きく陥没した事で出来た大穴に三大霊山に継ぐ霊峰・銀岳の地下水脈が地上へ流れ込んで出来たとされる巨大な淡水湖・鹿央湖を取り囲むように形成された都市。河川によって商業・工業地域が広がる北区と自然保護区と住居地域が存在する東南区に分かれており、湖の対岸にある名も無き丘の頂上には地殻陥没以前に建てられた古い教会跡があり、現在は児童養護施設『夢が丘』として利用されている。

 当時の建築物が百数十万の住民ごと地の底に沈むと言う途轍もないこの災害は『東海大陥没』と呼ばれ、この国始まって以来の大災厄『富士の噴火』『九州大急襲』に並び“日本八大天災”の一に数えられ、忌まわしき記憶の地として数年間誰も寄り付かなかったが、悲しみから立ち直った被災者や犠牲者の遺族くらいが失われた命を偲んで訪れるようになり、終の棲家として移住した高齢者らによって小さな集落がぽつぽつと出来始めた。だが、被災から更に十数年後、徐々に生じていた地殻変動が水脈の変化をもたらした結果温泉が湧いたり、水質の変化によって発生した変異体による独特の生態系が確認されるようになってからは調査の為に訪れる研究者が日に日に増え、メディアでも取り上げられるようになりこれをビジネスチャンスと捉えた時の起業家たちによって観光地化が進められた結果、地場産業ブランドによる経済活性化で移住者や大企業の出店・進出が殺到。東海屈指の大都市として生まれ変わる。現在は高齢化による主力であった観光産業が落ち込み気味で人口減少に歯止めが利かない状態が続いている。但し、温泉の湧出量は今なお全国屈指であり、知る人ぞ知る秘湯として訪れる根強いファンも多い。しかし何より、最近は突然意識を失い昏睡状態に陥る原因不明の奇病や失踪、姿なき襲撃犯による猟奇事件が多発している事に加え謎の超常現象も確認されており住民も日々不安に苛まれている。

 この町には瑞浪家が営む武術道場があり、記憶を失った倶利伽羅もこの町に現れている。これらの事から鑑みても「現想水滸伝と言う物語はこの地から始まった」と言って過言では無い。



  • 最終更新:2019-06-23 18:25:19

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